グローバルジオパークの未来に向けて Global Geoparks Looking Towards the Future

  • ユネスコ地球科学減災課長
    パトリック・マッキーバー
    Patrick Mc Keever/Chief of Earth Science and Geohazard Risk Reduction Section, UNESCO

    ご紹介ありがとうございます。第4回APGNシンポジウムにおいて最初に講演する機会をいただき光栄に存じます。本講演のテーマは「世界ジオパーク、その将来」であります。本年は世界ジオパークにとって特別な年になることを期待しています。
    ところで、その話をする前に、ユネスコについて少し触れたいと思います。ユネスコがどういうものか、そして世界ジオパークとどんな関係があるか、皆様に知っていただきたいからです。ユネスコとは国際連合教育科学文化機関のことで、フランスのパリに本部があります。ユネスコ独自の特徴の1つは、国連のなかで保護地域を指定する唯一の機関であることです。それには現在、2つの公式プログラムがあります。1つは世界遺産プログラムで1972年に総会で採択され、もう1つは「人間と生物圏計画」で1971年に始まりました。

    今のところ、世界ジオパークはユネスコの公式プログラムではありませんが、公式な仕事です。ユネスコで世界ジオパークを担当するのはユネスコ地球科学減災課です。
    ユネスコの地域指定地および世界ジオパークの2つを数の面で見てみますと、本年では世界遺産地が1,030地域、生物圏保護区が650地域、世界ジオパークが32ヶ国で111地域あります。明日、世界ジオパークネットワーク事務局で本年の申請について協議しますので、これらの数に増減があると思われます。

    中国雲南省にあるChengjiangというサイトは地球科学的な世界遺産ですが、世界遺産条約の登録基準Ⅷに基づいて指定され登録されています。これは地質学的な基準で、1,031地域の世界遺産のなかで登録基準Ⅷに基づくものは20地域未満であることは注目に値します。これは、世界遺産リスト上で地球の遺産が甚だしく過小表示されているということを意味しています。世界ジオパークが開発された理由の1つは、まさに世界遺産リストの空白をいくぶん埋めるためなのです。過去10年間、世界ジオパークを世界遺産指定に対する有効な代替手段するにあたり、国際自然保護連合(IUCN)から受けた支援に感謝いたします。

    ところで、ジオパークとは何でしょうか?世界ジオパークとは国際的な価値のある地球科学的な遺産のある地域のことです。これはとても重要なことで、新たな世界ジオパークに移行する場合に主要な基準になります。その地域が地球科学的な遺産という意味で、国際的な価値があると証明できなければ、世界ジオパークにはなれません。もちろん、ジオパークは単に地質学的な意味合いだけではありません。ジオパークの「ジオ(geo)」には、「Gaia(ガイア)」という意味もありますので、この地域には地域社会を巻き込む持続可能な開発戦略も求められます。これは世界ジオパークの基本になっています。


    ここにお見せする写真は、中国の張家界です。映画通の方なら、史上最高の映画の1つ『アバター』の場面だとお気づきでしょう。この映画は数年前に張家界で撮影されました。ジオパークは地質学的な意味合いだけではなく、もっともっと多くの意味合いがあります。地質学的な遺産と、~生物多様性という意味での自然遺産、文化遺産、さらに無形遺産といった~他のすべての遺産の側面との間のつながりを探求、開発し、世に知らせるものです。話をする中で、様々なジオパークがこれらのつながりをどのように世に知らせているか示したいと思います。

    重要なのは、世界ジオパークが保護地域ではなく、我々が特に保護しようと意図しているわけでないということです。確かに、世界ジオパークは部分的に国立公園や自然公園になっている所もありますが、大事なのは、地元の人々が地域全体を保護地域にしたいと望んでいるわけでないことを理解することです。しかしながら、(来年発効する新制度の下で、間違いなく)すべての重要な地球科学的なサイトは、国、地域、地元あるいは固有の法の下で保護を受けなくてはならなくなります。

    世界ジオパークネットワークの歴史を簡単に説明しましょう。15年前の2000年に開始され、ヨーロッパの4地域がスペインでの会議に集まり、ヨーロッパの他の地域にヨーロッパ・ジオパークネットワークと呼ばれる新たな試みに合流するように呼びかけました。4年後、ユネスコ本部において私の前任者の1人、ヴォルフガング・エダー博士がヨーロッパ・ジオパークと中国ジオパークを合体し、世界ジオパークネットワークを創設しました。今朝、聴衆のなかにエダー博士がおられたことにお気づきでしょう。エダ-博士が2004年にパリでこの取組みを始められたことに感謝しています。

    その後、北京でジオパークに関する最初の会議があり、世界ジオパークネットワークの会議を2年毎に、ベルファスト、オスナブリュック、ランカウイ、島原、セントジョンで開催してきました。現在、世界ジオパークは32ヶ国、111地域あります。


    ここにすべての世界ジオパークが示されています。地図を見て最初に気づかれるのは、ヨーロッパと東アジアに集中していて、西半球に少なく、アフリカでは皆無に近く、オーストラリアでは皆無だということでしょう。そのため、世界中に等分に世界ジオパークを配置することが、まさに世界ジオパークネットワークの義務になっています。

    それでは、世界ジオパークになるにはどうすればよいのでしょう?初めに、候補ファイルを作りユネスコに提出します。地球科学的な評価は国際地質科学連合(IUGS)が独自に行うと申し上げました。彼らは世界中に何千人もの地球科学学者のネットワークを持ち、国際的価値の審査をします。同時に、現地視察と現地評価を行います。各地域に2名が派遣され、GGN事務局に報告書を提出します。彼らは、毎年9月に集まり、これらの申請について話し合い、その地域を新たなジオパークとして認定するか、申請を据え置くか、却下するか決定します。これまで11年間このように行われてきましたが、ユネスコで変更があれば11月から変わります。

    世界ジオパークにおいて常に強調すべき重要な点は、世界ジオパークとみなされるのは4年間だということです。4年後には、「再認定」と呼ばれる評価プロセスを受けなければなりません。しかもこれがまったく厳しい試練で、2名が地域を再訪し、ジオパークの運営が適切かどうかを
    調査します。今年は聴衆の中に、この再認定の結果を待つ数地域のジオパーク関係者がいます。
    今年は16件の新たな申請がありました。申請した国々は多岐にわたっていて、ブルガリア、エクアドル、レバノン、キプロスなどがあります。ほかにも継続中の申請が5件あり、これらの申請については、昨年話し合ったのですが、少々、宿題を課し、今年、もう一度申請するように言ってあります。

    これらの新たな申請のほかに、本年再認定を希望するジオパークもあり、リストに23地域が挙がっていると思います。そのため、世界ジオパークネットワークの仕事量が膨大になり、世界全域のすべての世界ジオパークに、この再認定の任務を手伝っていただくことが非常に重要になります。この任務を行っている90パーセントはヨーロッパの人員で、これでは足りません。中国からももっと人員がいります。日本からもこの任務を手伝う人員が必要です。世界ジオパークネットワークの一員として手伝うのは義務でありますので、これらの国々に、来年の作業のため、多くの審査員をお願いするつもりです。

    世界ジオパークは地球の記憶を留めている地域で、その記憶の一部は気候変動の記憶です。過去に何度も、地球の気候は変わり、そのような気候変動の物語を世界ジオパークの岩石に読み取ることができます。日本にあるような多くのジオパークは、世界でも構造的に活動的な地域にありますので、特にこのようなジオパークには、地元の人々や地元社会と共に地球規模の災害に対する意識を高めるというたいへん重要な役割があります。一例を挙げますと、ここに小さな火山峰の長い線が見られます。


    これはアイスランドのもので、噴火した溶岩量において人類史上最大の火山噴火があったサイトです。多くのジオパークは、元は鉱業地域でもあります。鉱業によって、地元文化が築かれたこのような地域で、地域社会が形成されたことを認識することは大切です。また、ジオパークは自然資源の持続可能な利用の促進もはかり、日々の暮らしに必要な資源を抽出するのに必要な最良事例を示しています。

    ジオパークは人々に関係しています。これはたいへん基本的なことで、私が「ジオパークは人々に関係している」と言うときは、単に人々を巻き込む以上のことを意味しています。実は、地元の人々にジオパークの所有者になってもらうことなのです。これは彼らのジオパークなのです。地元社会に誇りの気持ちを持ってもらうことです。我々は地元の人々をその地域の大使だと考えています。そして、彼らは地元独自の物語を語ることができるとともに、地域に精通し、その知識を地球の物語に結びつけ、ジオに関する物語を実際に訪問者のために作ることができます。

    今年初めに、韓国の済州島で会った2人の女性の話を披露したいと思います。2人は済州島世界ジオパークの大使で、1人の女性は14歳で退学になりました。彼女はこう言われました。「あなたは学校を去らなければなりません。これ以上教育を受ける意味がありません。もっとよくなる見込みなどありません。ただ学校を出て、働けばよいのです」と。その結果、彼女は人生の大半を働いて過ごしました。漁師が持ち帰った乾燥イカを売っていましたが、数年前、済州島の人々が世界ジオパークを作り、それに興味を持つようになりました。彼女は、「これは私が本当にしたかったことだ」と考えて、いくつかの地質講座を受けました。現在は地元ガイドを務め、済州島で最も優秀なガイドの1人になっています。さらに、ジオパーク全体の考えに心酔して、地質学の博士号を取りたいとさえ話しています。14歳で退学になった人にとって、なかなか素晴らしいことです。


    もう一人の女性は四国の室戸の方で、彼女も特別な女性です。訪問者や学童を自宅に招き、四国沿岸で最後に津波があった時、室戸で何が起こったか語っています。このような災害の話を語り継ぐのは大切なことです。世代から世代に語り継ぎ、人々が忘れないようにし、災害の備えをできるようにすることは大切です。この女性は語り継ぐことで、たいへん価値のある重要な役割を担っているのです。

    3人目の女性は、先ほどお見かけしましたから聴衆の中にいらっしゃると思います。彼女は北海道の洞爺湖・有珠山の火山マイスターで、別な言い方をすれば、火山大使で地元の人々と活動しています。最後に火山が噴火したときの話を語り継ぎ、再び火山が噴火したときの地元の人々が取るべき行動を語っています。この方たちは、先ほど申しましたように、ジオパークの大使なのです。

    地球の裏側に目を向けて、エクアドルのインバブーラにある意欲的なジオパークの人々を紹介しましょう。ここの人々はパチャママの概念を持っています。これは生物に対するインカ帝国以前の先住民の考えです。彼らの文化では火山は単なる山ではなく、男性と女性を表し、語るべき物語を持っています。ときどき互いに口論を始めると火山が噴火します。これは大変貴重な話で、科学的な話と結びつけることができます。インバブーラには、この地域に連れて来られたアフリカ人奴隷の子孫がいて、彼らの物語も貴重で、その物語は南米のこの地域で発展しているジオパークの一部になっています。

    ヨーロッパにおいても、人々は力を付けています。アイルランドの地域社会では、地域住民たちは長年にわたり、資金を集め、ジオパークビジターセンターの建設資金を調達しました。建設を祝って、アイルランド首相を呼んで正式な開会式を行いました。アイルランド北岸の小さな5つの地域社会にとって偉大な功績です。このような話はすべて、ジオパークが何を成し遂げることができるかを物語っています。

    ジオパークは地球科学を伝える場にもなっています。子どもたちに楽しい時間を与え、彼らの手をぬらし、手を汚して化石について学ばせ、地球の過去についても学ばせます。あるいは、ドイツの婦人のように地元の人々が、地域を訪れる人々のためにジオパークツアーガイドを務めてくれています。

    ジオパークは地球科学的な遺産を保全し保護する場です。中国のZigong世界ジオパークにあるような革新的な博物館の例があります。あるいはギリシャのレスヴォス島ジオパークで行っているように、新道路を建設するときに注意して、化石の保全のために極めて緻密な作業を行う例もあります。ギリシャで経済危機があり、移民団や難民たちがレスボス島に押し寄せているこのときに、ここで、何が起こっているか想像してください。しかし、島民は以前と変わりなく、ジオパークの価値を尊重し、細心の注意を払って、樹木化石を保護しながら、レスボス西部の博物館に通じる新道路を建設しているのです。

    ジオパークは教育の場です。ウルグアイの洞窟地域の審査作業中、3人の少年たちと出会いました。ウルグアイでは、すべての学童が小型ラップトップを持っており、この地域の子どもたちは、世界ジオパークに関する自主研究課題を与えられました。3人の少年は、自分たちの研究課題をウルグアイの教育文化大臣、経済財務大臣、観光大臣に提出しました。これこそ子どもたちに能力を与えることなのです。私が言うところの子どもたちに、自分たちの地球科学的な遺産に対する誇りを持たせることなのです。また、中国のSegongでの別の授業です。ここでもやはり、学童たちは将来の保護のために過去について学んでいます。

    もちろん、ジオパークは面白くて、ジオツアーも楽しめます。ある女性はイアホーン付きヘルメットをかぶった自転車で、フランスのジオパークをサイクリングしている間、耳からの情報によって、景色、農作業、ブドウの生育、そしてジオパークの様々な側面について学んでいます。フランスには、遺産の解釈にぴったり一致する本格的な地球科学的な遺産があります。科学と技術を結びつけることも地球科学を伝える重要な方法です。


    無形遺産について話します。2枚の画像をお見せします。これは中国の雁蕩山です。ここに目を見張るような断崖があります。何世代にもわたり、地元の人々はここが特別な場所だと思っていました。断崖が科学的に特別である理由を知らなかったかもしれませんが、彼らにとって文化的にたいへん重要であったので、亡くなった人を葬るとき、実際に亡骸を棺に入れこの断崖に吊るしました。このようにすることで先祖に敬意を示したのです。


    同様のことがインドネシアのバトゥール世界ジオパークでも見られます。ここは火山性土の地区で、この土から特別な木が育っています。この木はたいへん強いにおいを発するので、地元の人々は亡骸を埋めません。ただ木の下に亡骸を置き、その周りに竹の小屋を作ります。骨が転がっているのが見えます。頭蓋骨も見えます。このようなことから、科学や地質学と、何世代も続く人々の無形遺産が本質的につながっていることがわかります。我々はジオパークのこのような側面も世に知らせています。

    地球規模の災害について話します。これはインドネシアの中部ジャワ州の火山の眺めです。私がジオパークの講演をするときは、いつも室戸世界ジオパークの友人を紹介しています。友人は沿岸で地震があったとき、何が起こったのか語ってくれました。地震によって、突然、海面が押し上げられ、大量の水が津波となって押し寄せました。地元の人々が地震が起こったときの過程や、結果を理解することが大変重要なこととなっているのです。

    あるプロジェクトについて語りたいと思います。私の考えでは、大変、独創的なプロジェクトで、ヨーロッパのギリシャ、イタリア、フランスにあるいくつかのジオパークで実施されています。ここで紹介したいのは、子どもたちにどのような影響があるのか真剣に考えることです。子どもたちに地震や火山噴火について語り出すと、彼らはどのようなことを頭に描くのでしょう?家に帰って、災害の悪夢を見るのでしょうか?これは、大変興味深いプロジェクトで、地球科学者や教師だけでなく、病院の医師や心理学者も巻き込み、子どもたちを怖がらせることなく地球規模の災害を伝える最良の方法を理解しようとしている興味深いプロジェクトです。これらのすべてを世界ジオパークで共有する必要があります。ですから、このプロジェクトの技術やこのために行う方法を、共有しなくてはなりません。

    さて、後半の話に移りたいと思います。今後についての話で、本年後半に始まるとみられています。これまで40年間、ユネスコの代表的なプログラムはIGCP、つまり地球科学国際研究計画でした。

    今から13~14年前の2001年、ユネスコ執行委員会は、新たなユネスコ・ジオパークプログラムを作る考えを却下しましたが、ジオパークに「その場限りの支援」をすることには同意しました。それ以後、「その場限りの支援」が何を意味するか知る人はいません。2011年、4年前にユネスコの多くの加盟国は、この状況を明確にしてほしいと望みました。「その場限りの支援」は何を意味するのか、また、ユネスコがもっと正式な方法で世界ジオパークと作業する方法はないのか?2年前には、ジオパークの作業グループが結成されました。ユネスコに加盟する30~50ヶ国がグループとなり、作業することになりました。グループは会議を7回開き、その会議中に、ユネスコに世界ジオパークとのつながりを公認させただけでなく、そのためのメカニズムも考え出しました。今年の4月にはユネスコの執行委員会も同意しました。2001年と違って、2015年では、執行委員会はIGCPの改革と、世界ジオパークを参加させて、新プログラム「地球科学とジオパーク国際プログラム」を作ることに同意しました。このことで、IGCPが改革されるだけでなく、新たな地域指定「ユネスコ世界ジオパーク」が生まれます。2ヶ月以内に、ユネスコ加盟国がこの提案を受けるかどうかを決める最終投票があります。

    ユネスコ世界ジオパークとはどのような仕組なのでしょう?これはきれいに忘れてください。というのもジオパークには関係なく、IGCPの問題だからです。しかし、このことをお話しするのは、ユネスコ世界ジオパークの運営方法に関するからです。今日とまったく同じように評価チームが設けられます。大きな変化はありませんが、世界ジオパーク事務局は入れ替えられます。代わりに、12名で構成されるユネスコジオパーク評議会が設けられます。世界中の一般に認められた12名の専門家が毎年集まり、新たな申請について決定を下すことになります。12名のほかにも、ユネスコ代表、GGN協会長、国際地質科学連合(IUGS)代表、国際自然保護連合(IUCN)代表が加わり、推薦を行います。ユネスコ世界ジオパーク事務局も加わりますが、彼らの役目はこの調整ユニット内のIGCP事務局と共に作業して、プログラムの両者が互いに話し合えるようにすることです。


    スケジュールは当然、新しくなります。残念ながら、ユネスコ世界ジオパークになるには、これまでよりプロセスが長くなります。そのため、どのような仕組になっていくか説明したいと思います。申請受付は毎年、10月1日から11月30日の間ですが、これまでと変わりません。
    しかし、申請書類のほかに、すべての申請者は特別な情報シートを与えられ、(書き方のガイドラインが提示されます)、情報シートの内容がユネスコのウェブサイトに3ヶ月間掲載されます。我々は、ユネスコ加盟国に書類がウェブサイトに掲載され、加盟国は誰でもチェックできると伝えます。これはユネスコにとって極めて重要な政府間チェックになります。どこか1国でも反対すれば、理由がなんであれ、直ちにその申請はシステムから外されることになります。

    パリのユネスコで、毎年2月になると、私は新たな申請を加盟国に公開します。ここで反対がなければ、すべての申請は、9月に評議会と事務局会議の審査を受けることになります。この段階で推薦が行われますが、最終決定にはなりません。というのも9月以降に、ユネスコ執行委員会に向けて書類が作られ、委員会は翌年4月に開かれるからです。ですから、申請から18ヶ月後になるわけです。評議会の推薦を承認するかしないか決めるのは執行委員会です。そのため、最終承認をするのはユネスコ加盟国になります。

    それでは、既存の111地域の世界ジオパークはどうなるのでしょうか?ユネスコ世界ジオパークになるには、新たに申請しなければならないのでしょうか?その必要はありません。作業グループのメンバーは、そのことに同意していますが、ユネスコが各国のユネスコ関係担当の国内委員会あるいは適切な政治団体から手紙を受け取ることが条件です。手紙で既存の世界ジオパークが、ユネスコ世界ジオパークに自動的に移行することに同意が示されていれば、その通りになれます。ユネスコはすでに6、7ヶ国から、既存のジオパークがユネスコジオパークに移行することに同意する手紙を受け取っていますが、私はアジアからはベトナム以外の国から手紙を受け取っていません。韓国、インドネシア、マレーシア、中国、日本からの手紙を待っています。我々はこのために皆様の手紙が必要なのです。すでに、皆様にはこの情報シートの提出を求めましたので、私の元にすべてそろっていると思います。この情報シートはすべてユネスコのウェブサイトに掲載されています。今、述べましたことは既存のジオパークに関する話です。

    来年以後、新たに申請する場合、すべての新規申請がどのような経過をたどるか説明しましょう。申請前に、ユネスコ関係担当の国内委員会あるいは政治団体が関心表明書を提出しなければなりません。これは1年前でなくてもかまいません。3ヶ月前でもかまいませんが、あらかじめ、ユネスコに申請することを伝えておかなければなりません。申請書類を作成するときに、申請地域が最低1年間、事実上ジオパークとして機能していたことを証明する必要があります。ある日突然、世界ジオパークになれるわけではありません。少なくとも1年間は実際にジオパークに取り組んでいた証拠を提供しなければなりません。その証拠を国内委員会によって提出する必要があります。ユネスコにはちょっとした公式ルートが重要であることを知っておいてください。

    今年、新たに申請を希望する地域はどうなるのでしょうか?希望者が何人かこの部屋におられますね。現在、15地域が、今年、世界ジオパークに申請する予定だと私に告げています。今年は、既存システムとおそらく11月以後の新システムの間の過渡期にあたります。それではどうすればよいのでしょうか?まだ、意向表明書を送られていないのなら、直ちに送ってください。ただし、必ずユネスコ関係担当の国内委員会か政治団体から送ってもらってください。すでに意向表明書を送っていて、差出人があなたであるとすれば、それでは不十分です。差出人は国内委員会でないといけません。11月にユネスコ総会で承認されると仮定して、すぐに用意してください。例えば、メキシコから手紙を1通受け取ったのですが、差出人が国内委員会でなかったので、国内委員会から出してもらうように伝えるつもりです。

    申請の話に戻りますが、物事が進むと仮定して、すべてが公式な申請になるようにしてください。私は今年申請する者全員に、10月1日に申請しないように頼んでいます。11月の総会で結果が出るまで待ってください。投票は11月9日か10日だと思います。それまで待っていただければ、ユネスコ世界ジオパークの新システムに入ることができるからです。すでに私に申請すると伝えてくださった皆様全員に私から通知します。E-mailを送って、何をいつすべきか正確にお伝えします。

    来年、再認定を受けることになっている地域がたくさんあります。確か24地域です。再認定にもいくつか変更があります。再認定を受ける1年前に、あなたのジオパークを1ページに要約してユネスコに提出しなければなりません。まもなくユネスコの同僚が来年再認定を受ける予定の24地域のジオパークに手紙を出し、必要な情報を正確に伝えることとなっています。再認定の3ヶ月前に、報告書を提出していただきます。経過報告書をユネスコに出す必要があります。やはり、その報告書の内容に関して詳細をお知らせします。この報告書も国内委員会などを通して提出する必要があります。そのほかは、すべて今と同じです。ユネスコ執行委員会は再認定に関してはまったく決定を下しません。決定はユネスコジオパーク評議会が下します。しかし、あなたが延長を計画されているなら(皆様のなかにおられますが)、延長が10%未満であっても、新申請のときに話しましたが、政府間チェックを受けなければなりません。これもまた、11月後半にすべてが動き始めたら説明します。

    最後になりますが、据え置かれた申請はどうなるのでしょう?残念ながら、これは少々問題のある地域です。据え置かれた申請を古いシステムから新しいシステムに移す仕組みがありませんので、残念ながら、昨年に据え置かれた申請はすべて、新たに申請する必要があります。まったく新しい申請としてです。残念なことですが、1年限りのことです。来年からは、昨年と同じように、システムの中に組み込まれます。

    ここで情報を要約します。多すぎてわからなかった事があるかもしれません。新たに申請をする方は申請書の作成を続けてください。しかし、私がe-mailで「進めてください。承認されたので、申請書を提出してください」と知らせるまでは提出しないでください。総会の結果が出ると、直ちにお知らせします。プランB(第2案)については何も計画していません。プランBにならないよう願っています。総会で承認が下りてほしいものです。我々が考え、望んでいるのはそのことばかりです。

    最後になりますが、皆様には、来年、英国のイギリス・リビエラで第7回ジオパーク国際会議を開催することをお知らせします。ユネスコ世界ジオパークにとって最初の国際会議になるかもしれません。11月に投票で可決されれば、1972年以来初めてユネスコ加盟国が新たな地域指定、ユネスコ世界ジオパークを作ることになります。ありがとうございました。

    <基調講演Ⅰ 平成27年9月17日(木)会場:豊岡市民会館>

ジオパークにおける住民参加、国際認知、推進・運営のための連携のあり方
Global Geoparks:Networking as the key element in their management and operation, community involvement and international recognition

  • 世界ジオパークネットワーク協会会長
    ニコラス・ゾウロス
    Nickolas Zouros/President of GGN Association

    おはようございます。この素晴らしい会議で基調講演をすることができて光栄です。この会議では、まさに世界ジオパークネットワークとアジア太平洋ジオパークネットワークの力が示され、協力し合うことで世界中からこんなに多くの方に来ていただくことができ、ご一緒に目前に迫る新たな段階を祝うことができます。あと2ヶ月で新たなユネスコ世界ジオパークが誕生するのです。

    私の基調講演は、画面に示されているように、連携に関するものです。これはとても重要な言葉で、連携することで、田舎の奥のほとんど人目につかない場所のごくちっぽけな人々や地域の集まりが、長いけれども実りの多いプロセスを始めることができることが証明されています。ジオパークの世界ネットワークは、それが築かれてから、15年後には、地球の全大陸から32ヶ国以上がかかわる実に世界的な取組みになりました。数日後にはさらに多くの国が参加することもあり得ます。そして今、我々はユネスコの承認を待って、新たなユネスコ地域指定を作ろうとしています。世界のジオパークが連携した結果で、これまで多くを成し遂げることができ、ここに集まることができたのです。

    さて、先ほど、パトリック・マッキーバー氏がジオパークの概念を述べました。この概念は、90年代にヨーロッパと中国で、地域の持続可能な開発によって遺産地域を保護、推進するために導入されました。初めて科学が地域や社会に取り入れられ、新たな開発手段を地域や社会に持ち込みました。このことは、ジオパークは単に岩石に関することではなく、人々に関することで、人々の暮らしを中心に考えています。地元社会、特に農村地域の力こそ、ジオパークを通じて、より豊かな将来を築くことができるのです。

    ジオパークは包括的な手法を用い、地域内の地質的、生態学的、文化的資源など、地域の独自性を利用し促進しています。そしてジオパークの概念に基づき、これらの資源を持続可能な地元開発の新手段として用い、ジオツーリズムを通じて世界中の様々な人々の興味を引いています。


    世界ジオパークネットワークは2004年に創設されました。これは、その朝の歴史的な写真で、こちらがユネスコ地球科学部のヴォルフガング・エダー部長、当時の
    ヨーロッパ・ジオパークネットワークのコーディネーターたち、私とパトリック・マッキーバー、こちらは中国代表団で、ネットワーク創設直後に撮影されたものです。

    さて、2004年に北京で最初のユネスコジオパーク国際会議が開かれ、世界のネットワークが始まりました。

    現在、111地域にジオパークがあります。ヨーロッパに64ヶ所、アジア太平洋に42ヶ所、ラテンアメリカに2ヶ所、北アメリカに2ヶ所、アフリカに1ヶ所ですが、すぐにこの地図は変わると思われます。

    連携はネットワークづくりでとても力強い働きをしています。力強い連携のおかげで、ネットワークは創設以来、実際に存続しています。昨日も豊岡市で、APGNの調整委員会会議が開かれており、アジア太平洋ジオパークの代表者たちが連携して一緒に作業しています。このようにしてジオパークは動いています。経験を分かち合い、考えを分かち合い、共通問題を話し合い、将来に向けて新しい解決法を提起するのです。

    ところで、連携は人々の間に見られるだけではありません。ジオパークは地質サイト、生態サイト、文化サイトのネットワークで、それぞれのサイトの解釈を通して、地球の物語~母なる地球の物語~の重要性と事実を説明しようとしています。

    ジオパークには素晴らしいサイトを提供していて、美しい景色、際立った特徴、美意識と感情に訴える大きな力のあるサイトのネットワークと言えます。

    もちろん、ジオパークには科学的に重要な地球遺産サイトも含まれます。これらは重要な地質サイトであると同時に、独自の自然生態系を持ち、もちろん、文化価値のサイトや無形遺産のサイトでもあります。このサイトのネットワークを育むことで、地元社会の多くの人たちだけでなく、国内あるいは国外から訪問者の関心を引くことができます。

    ジオパーク設立の基盤はサイトのネットワークですので、連携を通して、ジオパークにはほかにもいくつかの要素が必要です。同僚の多くがよく私に尋ねます。「ジオパークの成功の秘訣は何だと思いますか?」第一に、対象サイトのネットワークを基に、多くの専門分野にわたる任務に対処できる有能な経営体が必要です。ジオパークは単なる地質公園ではなく、それ以上のものなので、ジオパーク内のあらゆる種類の遺産を同等に扱わなくてはなりません。ジオパークの成功には献身的なチームが必要です。創造的かつ革新的で、様々な問題の解決法を見つけられるチームです。チームには、日常的にジオパークの活動を支援し地球遺産サイトを強化する地球科学者が(少なくとも1人)必要です。

    さらに、ジオパークを成功させるには、多くの財源を見つけ、適切な予算を獲得しなければなりません。私が多くの財源が必要と申しますのは、財源のネットワークが生まれることで、どのような状況になってもジオパークを存続させ、地域の世話をすることができるからです。すべてのジオパークが、様々な経済危機や様々な事態によって困難に直面する可能性があります。このため、多くの財源が必要なのです。もちろん、優れた経営計画と活動計画が必要ですが、ジオパーク活動の中心になるのは連携です。この連携なしには、ジオパークを成功させることはできません。

    そのため、様々なものの中でも連携が主要要因になります。ジオパーク創設においてさえも、同様のことが言えます。GGNメンバーになるための地域の申請が認定されるには、地域内で地質遺産の保護と保全を実践し、ジオツーリズム、ジオ教育、持続可能な地元開発に力を尽くしているすべての関連する国内当局と地方自治体、科学組織、それに利害関係者の協力が不可欠なのです。

    それでは、ジオパークの経営ネットワークとは何でしょうか?ネットワークに含まれるのは、地方自治体、公的科学施設と地元の利害関係者、市町村および都道府県当局、地元大学や地質サービス機関、地元博物館、自然保護区や地域内の公園当局または環境局、森林当局、考古学調査などです。これらの団体が申請書を作成するときの提出者になります。

    もちろん、地方自治体と地域代表者がジオパーク経営体の意思決定に携わることは言うまでもありません。これは、地元社会にジオパークの運営と活動に積極的に参加し関与してもらうためです。

    しかし、これで終わりではありません。ただ、ジオパークを作るだけでは駄目なのです。世界ジオパークの管理と運営が成功するには、様々なジオパークパートナーとの継続的な連携が必要です。このパートナーは経営体の一部ではなく、地域内で活動する人たちです。
    ここに写真があるのですが、この写真をお見せする理由を説明しましょう。色々な博物館の館長がいます。文化博物館、考古学博物館、宗教博物館、他のテーマ博物館の方たちが、レスボスで共同作業をしています。我々はレスボスでネットワークを作って活動を調整し、ジオパークの認定を受けて以来、一丸となって最高の利益をジオパーク内で生み出そうとしてきたのです。


    その他にも、ジオパークのネットワークパートナーにはどんなものがあるでしょうか?まず、地域内で運営する学校です。ほかにも、エコツーリズム代理店、博物館やモニュメントあるいは経営体の一部ではない興味深いサイトのような観光名所、現地企業、協同組合(特に女性の協同組合)、ボランティアグループ、マスコミとソーシャル・ネットワークなどがあります。ジオパークを成功させるには、これらすべてが力を合わさなければなりません。もちろん、ジオパーク内に博物館のネットワークがあることはたいへん重要なことです。ジオパークの仕事を改善する手助けしている博物館の例はいくつかあります。

    ところで、私はジオパーク内の学校のネットワークが最も重要だと考えています。ジオパークスクール・ネットワークが設立されると、ジオパークが運営する様々な教育活動やプログラムを通して、ジオパーク内の地域の若い人たちとの永続的な関係が築かれます。若者はいつも親と話をしますから、地元地域とジオパークのつながりと認識が強化されます。また、地元の人々の所有者意識を高めることができ、これは、地域の自然遺跡や歴史遺跡にとって重要なことです。ジオパーク内の環境教育は、ジオパークを紹介するだけでなく、ジオパークの仕事を支援する上で最も重要なのです。

    ジオパークは活動を改善するために教材を利用する野外教室もあるわけで、優れた装置を使って自然災害に関して社会全般に教育しています。

    ここに地震シミュレーターの例をお見せします。これによって、子どもたちは地震が起きたときに生き残る方法を学びます。教材や出版物は元より、職業訓練も役立ちます。これはジオパークの教育活動の一環で、目的は、特に無職の若者たちを教育し、新しい雇用を創出し、ジオパーク活動に携わっている人たちのために雇用の機会を作ることです。


    連携が非常に尊重されるもう1つの場面はジオツーリズムです。ジオパークでは訪問者に色々な体験をしてもらいます。これは非常に重要なことで、これによってジオパーク管理者がその地域内で最も価値を置くものを、地域の保全と保護を助ける方法で、訪問者に共有してもらうことができます。これは我々だけでなく将来の世代のためにもなります。

    ジオパーク活動は様々な提案もあります。世界中のジオパークに多くの例が見られます。ガイド付きツアー、ジオサイトの説明、トレッキング、乗馬、サイクリング、ジオ・ラフティング、ランニング、その他にも多くの活動が提案されています。このためには、ジオパークにネットワークが必要です。ジオパークと連携する観光会社のネットワークです。これには旅行代理店や旅行会社だけでなく、アグロ・ツーリズム協同組合、地元ホテル、朝食付き宿泊施設、レストラン、アウトドア活動とネイチャー・ツーリズムを運営している企業、地元特産物生産者と手工芸会社があります。これらすべてがジオパークの永続的な協力者になる必要があります。ジオパーク活動と連携するこのようなパートナーシップや企業ネットワークの優秀例はたくさんあります。その一例がボランティア団体です。ここに紹介するのはジオパーク・レンジャーです。ドイツのベルクシュトラーセ・オーデンヴァルトの若者のネットワークで、要請に応じてジオパーク活動を支援しています。

    その他のアクティビティ活動は、ガイド付きツアーやジオパーク内のマラソンがあります。バイクトレイルもあります。それにイギリスのフォレスト・ファウルでの若者の登山。フィンランドのロクア・ジオパークでの「ジオパークチャレンジ」はとても厳しいレースです。この地では、先週、ヨーロッパ・ジオパーク会議が開かれました。また、多くのジオパークでボートによるジオ・クルーズがあります。ほかにも文化的なイベントで、アイスランドのレイキャネース・ジオパークでは、山頂で真夏を祝うものがあります。

    世界の様々な地域には、ジオ・レストランや郷土料理でもてなすイベントがあります。アゾレス諸島のジオクッキング、こちらは生産物を販売促進するアグロ・ツーリズム祭りの様々な例があります。訪問者に地元産物を販売促進するためには、ジオパークパートナーのネットワークが必要不可欠なものです。ジオパークで生産された産物にラベルを貼るというように、様々なジオパークで様々な試みが見られます。これを見ると影響がいかに大きいか分かります。影響とは地元経済におけるジオパークが与える影響のことです。

    一方で、ジオパークには通信ネットワークも必要です。通信ネットワークには出版物、テレビ、ラジオ、マスコミのウェブサイトなどがあり、ジオパークの活動イベントやニュースを幅広く知らせることができます。ジオパーク活動を改善するには、社会との継続的な接触が不可欠です。  もちろん、一連の情報活動や出版物を通してジオパークと社会のつながりが生まれます

    ところで、世界ジオパークの連携は国、地域、世界レベルで生まれていて、それが世界的に成功するための主要要因のようです。世界ジオパークの連携によって促進されたのは、ジオパーク間での優れた活動の共有、ジオ保全・ジオツーリズム・ジオ教育の経験の交換、職員の交換、共同の取組みやプロジェクトの立ち上げ、共通の宣伝ツールの作成、教育プログラム・フェスティバル・地元の芸術などの共通活動の計画、フェアへの参加です。連携はこのようなことを促進する上で重要な働きをしているのです。

    ジオパーク内にある地域の保護と保全における最良事例の共有は、ジオパークの交流が実を結んだ一例です。国内フォーラムや国内ジオパーク委員会は、国レベルで活動を調整する手助けをしていて、これはとても大切なことです。

    ところで、少しばかり、地域ネットワークについて話したいと思います。APGNのような地域ネットワークは世界ジオパークネットワーク(GGN)の連携にとって中心になるものです。地域ネットワークは、地域あるいは大陸レベルでGGN活動の調整に役立っていて、このため、情報交換や協力のためのフォーラムがあるのです。これほど多くの参加者、過去最大の参加者が集まる本会議の成功は、ジオパーク関係者がこのような交流のあるフォーラムの必要性を理解していることを示しています。もちろん、それぞれの地域ネットワークには、地域ネットワークの経営体である調整委員会があり、APGNとまったく同様の委員会もあります。

    APGNシンポジウムはランカウイ、ベトナム、済州島,山陰海岸などでも開かれていますが、他の種類の地域シンポジウムがあり、例えば泰山シンポジウムは2009年のこのアジア太平洋ネットワークの設立に貢献しました。

    ヨーロッパ会議では、いかに連携がジオパークの活動を支えたかを物語っています。それだけではなく、EGNの宣伝資料は連携の結果作られたのです。これは1人あるいは1チームだけでできる仕事ではありません。ジオパークのネットワークが協力し合って、雑誌や本ができました。EGNの最新刊で、化石に関するヨーロッパネットワークの仕事です。もちろん、共通の連携作業には、「EGNウィーク」のようなフェスティバルの構成も含まれます。このフェスティバルはヨーロッパのすべてのジオパークが参加する活動です。


    最後にGGNについて話します。GGNは世界ネットワークとして、これまでの会議のいくつかのイベントのネットワーク形成もしてきました。直近の会議はカナダで開かれています。それ以外にも集中講座も開いています。これはGGNによる能力開発講座で、2007年にレスボス島で始まり、次は2016年に開催され、「ユネスコ世界ジオパーク」と名づけられる予定です。総会で承認された場合ですが、そのようになることを願っています。そうなれば、世界ジオパークで働くより多くの人々の能力を強化できます。

    もちろん、GGNやAPGNでは、ほかにも能力開発活動をしています。例えばAPGN地域ワークショップが昨年3月にランカウイで開かれたり、ユネスコがGGNを通じて昨年5月にラテンアメリカの人々のために能力開発活動を支援しました。


    連携とはジオパーク同士の交流でもあります。この写真は、ギリシャの無職の若者で、ドイツのベルクシュトラーセ・オーデンヴァルトに行って国際プログラムの枠組みで教育を受けました。

    世界ジオパークネットワークにはウェブサイトもあり、ユネスコと共同でポスターを作り、北京のオフィスではGGN会報を発行しています。この会報はジオパークが協力するための優れた手段でもあります。さらに、世界ジオパークネットワークは世界最大のツーリズムフェア「ITBベルリン」や他の国際フェアにも参加して、観光市場を組織しその要求に答えてもいます。これはジオパークの実力を示す例です。


    この写真にはEGN、GGN、APGNのロゴがあります。それぞれの世界ジオパークは他のすべてのジオパークを代表しています。これはジオパークネットワークにとって中核になる考えで、運営成功の秘訣です。我々はみな1つの家族だと考えています。持っている資源を活用し、促進します。それがヨーロッパのメンバーであろうと、アジア太平洋のメンバーであろうと、カナダやラテンアメリカのメンバーであろうと気にせずに、GGNとその活動を促進します。それぞれがそれぞれを促進するのです。つまり、1つのジオパークはすべてのネットワークのためにあり、ネットワークはすべてのジオパークのためにあるのです。何故なら、これは協力のネットワークで、協力や支援によって、このネットワークが成長し向上しているからです。最後になりますが、昨年8月に世界フェア「エクスポ」でイベントを企画しました。これも世界ジオパークのイベントで、我々が特別なイベント、世界ネットワークの情報を提供しました。このように、連携がいかに重要かおわかりでしょう。地元だけでなく、国だけでなく、地域だけでなく、世界レベルのネットワークが、我々をさらに強力にするのです。
      実践を伴う経験や、優秀事例を交換して共有するネットワークがあります。地元発展のためのアイディア、新技術、共通手段、新手段を共有するネットワークもあります。これがジオパークです。今後、数ヶ月後にユネスコ世界ジオパークが生まれることを願っています。そうなれば、このネットワークは大きく急激に成長し、さらに強力ありがとうございました。

    <基調講演Ⅱ 平成27年9月17日(木)会場:豊岡市民会館>