(1)ジオパークとは
「ジオ(geo)」は、地球や大地という意味の接頭語で、ジオパークとは、科学的に見て特別に重要で貴重な、あるいは美しい地質遺産を含む一種の自然公園です。 地質や地形は、地球の歴史を物語っているだけでなく、人の暮らしや文化に直接結びついています。この大地の営みをひとつの遺産として学び、楽しむのがジオパークです。
ヨーロッパの各国、中国、日本など世界各地のジオパークが加盟する世界ジオパークネットワーク(GGN:Global Geoparks Network)は、2004年にユネスコの支援により設立されました。山陰海岸ジオパークは2010年10月にGGNに加盟認定、2014年9月にはエリアを拡大して再認定されました。2015年、世界ジオパークはユネスコの正式事業となりました。
世界ジオパークネットワークについて
日本ジオパークネットワークについて
(2)世界遺産と世界ジオパークの違い
ジオパークは地質に関する自然遺産を保護するだけでなく、教育や地域の活性化に活かしていこうとする点で、主に保護を目的とする世界遺産と異なります。 また、「場所」だけでなく、そこで行われている活動(例えば教育プログラム、ガイド養成、地域振興策など)や、運営組織も重視されています。 そして、4年に一度の見直しが行われる点も、世界遺産とは異なっています。
(3)世界ジオパークの登録の要件
ジオパークに登録するには、以下の要件を満たすことが求められています。 
●明瞭に定められた区域と充分な面積を持ち、地質学的価値だけでなく、生態学、考古学、歴史・文化的な価値があること。
●地域の人たちを中心に、公的機関、私的団体、および研究教育機関を含めたしっかりとした運営組織と運営計画を作り上げること。
●ツーリズムなどを通して、経済活動の活性化と持続可能な開発を行っていくこと。
●博物館、自然観察路、ガイド付きツアーなどにより、教育・普及活動を行うこと。
●適切な保護対策と実効的な保存を確実に行うこと。
●世界的ネットワークの一員として、相互に情報交換を行い、会議に参加し、ネットワークを積極的に活性化させること。
(4)ジオパークの楽しみ方
ジオパークでは、その素晴らしい自然を見たり、体験できるだけでなく、その大地の成り立ちと関係した生き物や人の暮らし、歴史や文化に触れることができます。 各施設はジオパークについての様々な情報を得ることができるだけでなく、地域のことをやさしく解説してくれるジオガイドが常駐しています。 ジオガイドの案内で、新しい視点で景色を見ることができれば、大地の素晴らしさの背景や、歴史や文化の知識に深みが増してきます。ぜひジオガイドの案内するツアーに参加しましょう。 そして、学習の後は、ゆっくりとその地を楽しみましょう。地元の美味しい料理を味わい、ジオの恵みである温泉にゆったり浸かって疲れを癒しましょう。これもジオパークの楽しみ方です。
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